今回は、長崎市の郷土料理、「ハトシ」について書いてみたいと思います。

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ハトシは、えびのすり身を食パンで挟んで、油で揚げたものです。
明治時代に中国から長崎に伝わり、卓袱料理の一品として、あるいは
家庭料理として広く普及したとされています。

もっとも、何人かの長崎出身の知人に尋ねましたが、
ハトシは長崎市民がそれほど日常的に食べるものでもないようです。
少なくとも、ハトシを普段自宅で作るという人にはまだ出会ったことがありません・・・

長崎市を訪れて、ハトシを一番入手しやすいのは、メルカつきまちの地下にある 山ぐち です。
大正10年創業の仕出し屋さんだそうで、テイクアウトして食べることができます。

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揚げたパンのさくっとした食感と、えびのぷりぷりした弾力が印象的な、
とても素朴な味わいの食べ物です。
熱いうちに、できたてを食べるのがおすすめです。

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この写真は、慶華園のハトシです。
お店によって、味付けや中に挟む素材も少しずつ異なります。

長崎市は本当に食のバリエーションが豊かで、
カステラ、ちゃんぽん、皿うどん、トルコライス、かんころもち
雲龍亭の餃子など、名物を挙げればきりがないほどです。
ハトシのように、あまり知られていない古くからの郷土料理も数多くあります。  

福岡に住んでいる時は、長崎市まで日帰りで気軽に行くことができましたが、
山口に住んでからは、少しばかり疎遠になっています。

長崎の郷土料理については、他にもいろいろと記事を書いてみたいと考えています。